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ポール・セザンヌ/聖アントニウスの誘惑(1839-1906)



Paul CÉZANNE/Temptation of St. Antony

作年 1874年

技法 油彩、カンヴァス

サイズ 24.1×33.4cm


1839年、フランスのエクス=アン=プロヴァンスに生まれ、1906年、同地で亡くなりました。1861年、パリに出てアカデミー・シュイスに学び、マネらと交わるも都会生活に馴染めず、パリと故郷を往復します。やがてピサロの影響を受け、第1回印象派展に参加しますが、1870年代には印象派から遠ざかり、1880年代以降は故郷に戻り、同地の風景や静物、水浴図などを描き、造形的な探究を続けます。晩年はキュビスムに影響を与えるなど若い画家たちの賞讃を得ました。今日では20世紀美術の先駆者の一人として評価されています。

赤い服の悪魔がアントニウスの肩に手をかけ、裸婦を指さし誘惑する場面を描いた本作では、裸体人物をピラミッド型に配して画面を構成しています。また小さなモザイクを並べたような力強い筆致で、人物や周囲の自然物の量感を描き出しています。キリスト教をテーマにした作品ですが、《水浴図》に共通する魅力がある作品といえます。

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