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村娘之図/岸田劉生(1891-1929)



Girl of the Village/Ryusei Kishida


制作年 1919年

画法 木炭、パステル、水彩、紙

サイズ 40.3×31.5 ㎝


 文明開化の時代、新聞記者、事業化として名をあげた岸田吟香を父に、東京銀座の、いわゆるハイカラな家に生まれました。1908年、白馬会葵橋洋画研究所に入り黒田清輝に師事、1910年、19歳で文展に初入選して、白樺派の画家として画壇に登場しました。作風は、ポール・セザンヌやゴッホらの後期印象派から、北方ルネサンスのデューラーらの写実表現へと移行し、最後は浮世絵や中国の宋元画に傾倒したものへと変化しました。享年38歳と短命でしたが、周囲の画家に強烈な影響を与えるなど、日本近代洋画史上に極めて重要な功績を遺しました。

本作のモデルは、鵠沼に滞在していた時代に、竜正の字だ区の近所に住んでいたお手伝いさんの娘で、娘の岸田麗子の遊び相手だった於松です。幼い面立ちながらきりっとした表現が魅力で、小さな作品ですが存在感があります。

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